
2025年12月12日、海老名市教育支援教室「びなるーむ」にてワークショップを実施しました。
今回は、こどもたちと先生方に、私がこれまでの実践で使用してきたツールを知っていただくことを目的に、プログラマブルバッテリーに加え、OctoStudio、micro:bit(+Chobittoボード)を実際に触ってもらいながら紹介しました。また、これまでに実施してきたワークショップの事例や、最近取り組んでいる生成AIを活用したプログラミングワークショップについても紹介しました。
結果的に、プログラマブルバッテリーで制作した作品を写真で取り込み、OctoStudio上で動かしてみるなど、複数のツールを組み合わせた作品づくりの可能性を感じることができました。これまで実施してきたワークショップでは、基本的に一つのツールを用いて作品づくりを行ってきましたが、参加者が自らツールを選べる形のほうが、いわゆる「工房」としてのワークショップに近いのかもしれません。
また、今回も一緒に参加したNICOBOが、場の雰囲気を和ませてくれたように感じます。OctoStudioでNICOBOを描いた作品も登場しており、ワークショップにおけるNICOBOの存在感の大きさを、あらためて実感しました。さらに、ワークショップ前のアイスブレイクとして持参した知育楽器Ratatoneでも遊んでもらいました。
今回のワークショップは、現在構想している「コンピュータークラブハウス」のような、常設スペースとしての、こどもとおとなの居場所づくりを考える上でも、多くの示唆を与えてくれるものでした。ワークショップが、さまざまなツールを自由に使える場としてのワークショップになった(あるいは、戻った)とき、準備や運営を担う私たちにとって、何が最も大切になるのでしょうか。
今回は、どのツールを用意するのか、どのような材料を準備するのかについて、前日まで悩み続けました。当日も、参加者の活動の様子を見ながら、どのタイミングで次のツールを紹介するかについて、常に考える必要がありました。作品づくりが一段落したとき、あるいは、今取り組んでいる作品が新しいツールによって発展しそうなときなど、適切なタイミングで、適切な関わりをどう提供するかという問いは、これまでの、そしておそらく今も続いているプログラミング教育が抱えてきた課題と重なるものなのかもしれません。さらに広く捉えれば、「個別最適な学び」を目指す際に必ず直面する壁とも言えるでしょう。

そのような支援のベースにあるのは、その参加者が何をしたいのか、その時点でのプロジェクトが何であるのか、何をしていたいのかを見極めることなのかもしれません。支援のつもりで行ったアドバイスがうまく届かず、別の形の作品になっていく様子を見ると、自分の関わりが足りなかったのではないかという申し訳なさを感じることもあります。しかし同時に、その参加者にとってのプロジェクトが、こちらの想像を超えた形で表現されていることに、喜びを覚えることもあります。
そもそも、「支援」という言葉で捉えること自体が適切ではないのかもしれません。支援という言葉には、どうしても支援する側とされる側という上下関係が生まれてしまいます。たまたまその時点で持っている知識や経験に違いがあるだけで、本来は一緒に考え、一緒に学ぶ関係であるはずです。場面によって上下関係が常に入れ替わるような、流動的な関わり方はできないのか。そのようなことを考えさせられるワークショップとなりました。
今回もワークショップをつくることを通して、ワークショップそのものと学びについて改めて考える機会をいただいたことに、感謝です。

