ほんごうこども図書館 訪問

広島県三原市本郷町にある「ほんごうこども図書館」を訪問してきました。
こちらの図書館は、公設民営の図書館として2001年に開館して以来、25年にわたり地域で大切に運営されています。ログハウスのような素敵な外観で、建物の中に入ると、やさしい木の香りとともに、たくさんの子ども向けの本が迎えてくれます。入った瞬間に、とても心地よい気持ちになりました。

到着したのは13時を少し回った頃で、これから保育園や学校帰りに立ち寄る子どもたちを迎えるための準備や、週末に予定されているお祭りの準備が進められていました。また、お孫さんのために絵本を借りに来ている方の姿も見られました。

図書館の運営のお話や、開館までの準備、そして開館に深く関わられた大田堯先生のお話をうかがっていると、保育園帰りの子どもたちが「ただいま」と言いながら図書館に入ってきました。館の運営はすべてボランティアでまかなわれており、ボランティアスタッフの方々は、子どもたちから「おじいちゃん」「おばあちゃん」と呼ばれています。「ただいま」「おかえり」という何気ないやりとりが自然に交わされる図書館に、なんともいえない居心地のよさを感じました。

そしていつの間にか、私も自然と子どもたちの遊びに混ぜてもらっていました。図書館が、知らない「おじさん」にも気軽に声をかけられる、安心できる場所であることを実感します。つい楽しくなってしまい、気がつけば2時間以上も長居をしてしまいました。

コミュニティの中で大切に育てられてきたからこそ生まれる、安心感。一朝一夕でつくられるものではなく、25年近い時間の積み重ねが、この空気を育んできたのだと思います。こどもの居場所づくりは、私自身が目標としている活動のひとつですが、短期的な取り組みではなく、長い時間をかけて育み、醸成していくことの大切さを、あらためて学ばせていただきました。

ご対応いただいた館長やスタッフの皆さま、そして子どもたちに、心から感謝します。

*ほんごうこども図書館は大田堯先生の晩年に密着したドキュメンタリー映画「かすかな光へ」でも紹介されています。昭和女子大学初等教育学科のブログでも紹介しています。

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